心臓電気生理学的検査(EPS)
EPS検査とは
EPS(Electrophysiology Study;電気生理学的検査)検査では、電極カテーテルという数ミリ径の細い管を、足の付け根や鎖骨下の静脈から、心臓に向かって数本挿入します。このカテーテルの先端には小さな電極が付いており、これを心臓内壁に接触させると、心臓内の電気活動を詳細に得られる事が出来ます。不整脈診断においては非常に重要かつ有効な検査です。
検査の目的
EPS検査の目的は患者さん特有の不整脈のメカニズムを明らかにすることにあります。体表の心電図では不整脈時の心臓内の細かい電気の伝達順路や頻拍のメカニズムまでは明らかにできません。EPS検査することでそれらを解明し、その後に続くカテーテルを使って不整脈をおこしている電気の伝達回路を切断する、カテーテルアブレーション治療や、不整脈を監視して治療するペースメーカによる治療に役立てる検査です。
検査の方法
2泊3日の入院で行います。検査の前日入院していただき、検査の方法や危険性、合併症に関して説明します。検査当日はカテーテル室に病棟看護師と来ていただき患者さんの確認をしてから、カテーテル挿入部位を消毒してから、清潔な布をかけして検査を始めます。
カテーテルは原則右足の付け根の股静脈と、必要に応じて右頸部の静脈を局所麻酔してからカテーテルの水先案内人としてのカテーテルシースを入れます。心臓内にカテーテルを留置してからEPS検査を始めます。実際にカテーテルを留置した時にX線カテーテル装置で透視を行った時の画像を提示します。
EPS用カテーテルの留置画像(左図:右前斜位より見る 右図:左前斜位より見る)
検査時間は約1時間で終了しますが、頻拍症の検査のときはそのまま続けてカテーテルアブレーション治療まで行うことがほとんどです。カテーテルアブレーション治療時間まで入れると約3時間ほどです。
すべての検査、治療が終了後にカテーテルを抜去しシースも抜き検査医が用手圧迫して挿入部位の止血をします。その後の検査側の足の安静時間が数時間あります。翌日担当医が挿入部位の観察を行いその後退院になります。
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