日中はもちろん、夜間・休日の緊急カテーテル検査・治療にも専従のカテーテルスタッフが対応可能な体制を整えています。狭心症など虚血性心疾患の診断のみならず、弁膜症や末梢血管に対するカテーテルによる精密検査まで、年間約1,000件のカテーテル検査を実施し、全国でもトップレベルのカテーテル治療は年間約600件行っています。 カテーテル検査・治療に関しては、特殊な場合を除いて、クリニカルパスを用いて安全で質の高い医療を提供できるよう日々努力しています。 当院のカテーテル治療の大きな特徴として、石灰化病変・分岐部病変・慢性完全閉塞病変など複雑冠動脈病変に対する治療を得意としていることが挙げられます。カテーテル治療器具の発達や治療テクニックの進歩によって、カテーテル治療の有効性と安全性は向上しており、従来は開胸手術が必要と考えられる患者様に対しても、当院では高い成功率でカテーテル治療を提供できています。特に、難易度が高く他院では敬遠されがちな冠動脈の慢性完全閉塞病変に対して積極的な治療を行っており、国内屈指の技術を有する術者を複数名擁していることから、他院の術者に対する教育機関としての役割を担うとともに、当院の治療技術は公開手術を通して日本全国または全世界へたびたび発信されています。また、冠動脈のみならず、下肢動脈や腎動脈などの末梢血管に対するカテーテル治療にも積極的に取り組んでいます。

当院では現在構造的心疾患のカテーテル治療部門を設置し、この分野の充実に注力しております。構造的心疾患のカテーテル治療では弁膜症や肥大型心筋症に対する治療を行っています。当院のカテーテル部門ではこれまでも冠動脈疾患や末梢動脈疾患に対するカテーテル治療の他に閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術や僧帽弁狭窄症に対する経皮的交連切開術などを長く行ってまいりました。さらに近年は弁膜症に対するカテーテル治療を中心にこの分野の進歩は著しいものがあり、当院においても大動脈弁狭窄症に対するカテーテルを用いた弁留置術（経カテーテル的大動脈弁留置術：TAVI）を一昨年より開始しております。これまでの当院の専門施設としてのカテーテル治療や心血管手術の経験を生かし、ここまで良好な成績を収めております。