生理機能検査

ホルター心電図検査

ホルター心電図検査は、携帯型長時間心電図とも呼ばれていますが、通常はこの検査装置の基本を作ったホルター博士の名前をとり、ホルター心電図と呼ばれています。
ホルター心電図は長時間にわたって日常生活の心電図が記録できるので、不整脈や狭心症の発作時の心電図をとらえることができ、診断に役立ちます。

検査方法

  • 胸に5ヶ所電極を付け、心電図を24時間記録します。デジタル方式の記録器で、大きさは5.4cm×5.4m×1.7cm、重さは電池を含め42gです。検査中、記録器は腰などに身につけて頂き、普段通りの生活をして下さい。

  • 日記帳をお渡ししますので、簡単な行動の記録を記載して下さい。また何か症状がありましたら、本体のボタンを押し、その時間と内容を書いて下さい。解析結果は約一週間後に出ます。取り付け時間はおよそ15分です。翌日取り外し時間はおよそ5分です。来ていただくのは装着する日と取り外す日の2日間です。


ホルター心電図検査でわかること

  • ・自覚症状と心電図変化の関係
  • ・不整脈が出現しているか、出現している場合、その種類と重症度
  • ・不整脈の治療薬を服用している場合、その効果
  • ・心筋虚血(心筋への酸素不足)の有無とその重症度
  • ・ペースメーカーが正常に作動しているかどうか
  • ・心拍変動による自律神経活動

検査を受けられる方へ

  • ・取り付ける日の服装は、胸部に電極を貼りますので胸元の大きく開いた服は避けることをおすすめします。
  • ・来院して頂くのは、取り付ける日と翌日(取り外す日)の計2日となりますので、ご注意下さい。
  • ・お渡しする日記帳に、一日の行動および症状を書いて翌日忘れずに持参して下さい。
  • ・低周波のマッサージ器は使用しないで下さい。
  • ※予約時間に遅れますと、取り付けできないことがありますのであらかじめご了承下さい

携帯型心電図検査とは

携帯型心電図検査は病院以外で症状(動悸や胸痛など)があった時に、患者さんご自身で心電図を記録していただく検査です。

検査を受けられる方へ

機器の貸出しおよび説明はおよそ15分です。来院していただくのは貸出し日と返却日の2回です。貸出し期間は1週間、または2週間です。(主治医の指示により異なります)  次の予約の方もいらっしゃいますので、返却日は厳守して下さい。心電図記録は何回でも可能です。お渡しする日記帳には記録日時、および症状を書いて返却日に忘れずに持参して下さい。機器はポケットサイズの心電計です。落としたりしないように取り扱いには十分ご注意下さい。

加算平均心電図

加算平均心電図は、生命に危険が及ぶ重症な不整脈が出やすい状態があるかどうかをみる検査です。心電図を重ね合わせて心臓の微小な電位を検出します。心電図の電極をつけ、安静状態で横になっていただきます。検査時間はおよそ15分です。

四肢血圧検査(ABI)

四肢血圧検査は、手足の血圧を同時に測定し、ABI(Ankle Brachial Index…足関節/上腕血圧比)を算出して、下肢閉塞性動脈硬化症を早期発見するための検査です。下肢閉塞性動脈硬化症は、糖尿病、高血圧、高脂血症などの危険因子によって発症し、ABI≦0.90であると未梢動脈疾患の疑いがあります。

検査方法

左右の手首、足首におのおの血圧測定用のカフ(圧迫帯)を巻きます。さらに両手首に心電図記録用クリップを、胸に心音測定のマイクロフォンを取り付けます。
血圧測定は四肢血圧測定装置が全て自動で検査を行います。検査時間は、準備を含めておよそ10分です。

検査を受けられる方へ

安静状態で横になっていただくだけで、検査は終了いたします。また、検査前の制約や、検査による身体的影響もございません。手足にカフを巻き付けますので袖や裾をまくりやすい服装でお越し下さい。

呼吸機能検査

肺は空気中の酸素を血液中に取り入れ、血液中の二酸化炭素を体外へ排出します。喘息や肺気腫や心疾患などによりこの経路のどこかに障害が起きると、肺の機能障害が引き起こされます。疾患によって障害パターンが異なりますので、色々な方法で息を吸ったり吐いたりして肺活量などの測定を行い、病気の診断や重症度の判定を行います。

検査方法

口にマウスピースをくわえて呼吸をしてもらいます。この時、鼻をノーズクリップで挟みますので、鼻からの呼吸はできません。技師の合図に従ってゆっくり息を吸ったり吐いたり、あるいは急いで息を吐いたりの呼吸をしてもらいます。一般的な肺活量検査はおよそ15分ですが、これで障害が認められた場合などに行われる二次検査を含めるとおよそ60分かかります。

検査を受けられる方へ

検査当日は禁煙をお願いします。この検査は一生懸命、力を入れて息を吸ったり吐いたりしなければなりません。技師もかけ声をかけて応援しますので、診断に役立つ正しいデータがとれるよう、ご協力をお願いいたします。

トレッドミル検査

トレッドミル検査は坂道を登る・急ぎ足で歩くといった日常生活の中で現れる胸痛・動悸・息切れなどの症状を再現し、その時の心電図変化と血圧の変化をみて、運動中の心臓の状態を調べる検査です。心臓が悪くなると安静にしているときは症状がなくても、運動して心臓に負担がかかると、不整脈や心筋に血液が十分に行かない状態(虚血といいます。注を参照)が起こり、心電図に変化が出ます。
<注 : 虚血性心疾患>

検査を必要とする主な病気

虚血性心疾患

冠動脈(心臓の筋肉に血液を送っている血管)が動脈硬化で狭くなっていると、運動により心臓が激しく活動したときに動脈を流れる少ない血流では酸素を十分に供給できず酸素不足になります。すると胸痛などの症状が出現したり、無症状でも心電図に変化が見られたりします。狭心症が代表的な病気です。

検査方法

実際には、ベルトコンベアーの上を歩きながら心電図と血圧を測定します。ベルトは3分毎に速度と傾斜が増していきますので、その速度に合わせて始めはゆっくりと、段階が進むにつれて駆け足ぎみの速さへと進んでいき、胸痛や圧迫感など胸の症状が出たり、疲労感・息切れ・足の疲れなど運動を続けることができなくなるまで歩いていただきます。また、血圧や心電図に変化が見られると終了することもあります。

検査を受けられる方へ

  • ・検査時間はおよそ30分です。
  • ・検査時、極端な空腹状態は避けて下さい。
  • ・検査前に食事をされる方は、1時間前までに軽く食べてください。ただし、アルコール、タバコはさけて
  •  下さい。
  • ・運動パンツ(半ズボン)と運動靴はこちらで用意してありますので必要な方は申し出て下さい。

CPX(Cardiopulmonary Exercise Test:心肺運動負荷試験)検査

運動中の心臓の機能と肺の機能を両方同時に測定する検査です。心臓の機能の評価は主に心電図により狭心症、心筋梗塞、その他の心疾患の有無や程度を判定し、また運動中の血圧測定により高血圧の有無を判定します。
肺の機能の評価は呼気ガス分析装置により1分間に酸素をどのくらい吸っているか、そのとき二酸化炭素をどのくらい吐いているか、などを測定します。それによって心臓のポンプとしての予備能力がわかり、心不全の程度が評価できます。またこの検査のもう1つの特徴は心臓に病気をもっている方や、高血圧や糖尿病で運動療法が必要な方などが、心臓に過常な負担をかけずに安心して運動を楽しめる運動の強さがわかることです。

検査方法

自転車をこぐか、あるいはベルトの上を歩いていただきます。まず呼気ガス分析のため専用マスクを着用していただきますが、これが運動の支障になったり、呼吸困難になったりすることはありません。最初に安静の心電図を4分間測定し、その後運動を始めていただきます。少しずつ運動を強くしていき、足がきつくなるか、呼吸が苦しくなるか、もしくは胸が痛くなるかまで運動を続けていただきます。その後6分間は安静にして心臓と肺の回復状況を調べます。検査時間は30~50分です。


CPX検査でわかること

  • ・運動耐容能
  • ・心不全の重症度
  • ・心血管イベント(狭心症・不整脈)の発症閾値
  • ・息切れ等の原因

検査を受けられる方へ

  • ・検査時、極端な空腹状態は避けて下さい。
  • ・検査前に食事をされる方は、1時間前までに軽く食べてください。ただし、アルコール、タバコはさけて
  •  下さい。
  • ・運動パンツ(半ズボン)と運動靴はこちらで用意してありますので必要な方は申し出て下さい。

睡眠時無呼吸検査

さまざまな症状(日中の眠気やだるさ)や合併症を伴う睡眠障害の代表が、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)と呼ばれる病気です。SASを一言で言えば、睡眠中の無呼吸、低呼吸を繰り返す病態の総称です。睡眠時無呼吸の重症度は1時間に何回呼吸が止まっているかで表します。

検査方法

気流やいびきを測定するため鼻カニューレ、胸・腹部の動きを測定するバンド、酸素飽和度(SpO2)を測定するパルスオキシメータ、ホルター心電計などを装着して一晩寝ていただきます。検査結果は、無呼吸低呼吸指数(AHI :Apnea Hypopnea Index)を用いて重症度を診断します。

検査を受けられる方へ

一晩入院していただいて睡眠中の呼吸状態を検査していきます。

心エコー検査

心エコー検査は、超音波(人間の耳には聞こえない周波数の高い音)を用いて心臓や血管の形、血液の流れを観察する検査です。検査に用いられる超音波は安全性が確認されており、胎児の検査にも用いられています。人工弁やペースメーカーにも影響はありません。

検査の目的

心臓は、左心室、右心室、左心房、右心房の 4つの部屋と、逆流を防ぐための 4つの弁からなるポンプです。心エコー検査では、心臓の大きさ、動き、心臓の筋肉や弁の状態、血液の流れなどを観察し、ポンプが正常に働いているかどうかを判断します。心エコー検査は、心臓病の診断だけでなく、治療方法の選択、治療効果の判定、手術時期の決定などにも役立ちます。

検査を受けられる方へ

検査に必要な時間は、病気の種類や、患者さんの状態などで異なります。短ければ20分ほどで終わりますが、 45分程度かかることもあります。検査に際しては、体の左側面を下あるいは斜め下にして横になっていただきます。これは心臓をできるだけ見えやすくするためです。また、肺が超音波の通過を妨げないよう、息止めをしていただくことがあります。

経食道エコー検査

食道は心臓の後ろにあり、下行大動脈の前面に接しています。食道から心エコ-検査を行うと、通常の心エコ-検査では見ることができない心臓の奥や下行大動脈を観察することができます。検査時間は5~15分程度です。

検査を必要とする主な病気

心房細動

心房細動という不整脈になると、左心房と呼ばれる腔で血液が停滞し、脳塞栓などの原因となる血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。左心房の中でも特に血栓ができやすい左心耳と呼ばれる部分は、経食道エコーでなければ十分な検査ができません。

人工弁

通常の心エコー検査では人工弁の裏側の状態を知ることができません。人工弁の異常が疑われる時には経食道エコー検査が必要となります。

胸部大動脈瘤

胸部大動脈瘤、特に下行大動脈が拡張していないか(動脈瘤)、裂けていないか(解離性大動脈瘤)を観察するためには、直接下行大動脈を観察することができる経食道エコーが役立ちます

検査を受けられる方へ

検査の前にスプレーで喉に麻酔をかけます。嘔吐を避けるため、食事は検査の5時間前までにお済ませください。薬を服用するための水は飲んで頂いても構いません。
麻酔をすると喉がしびれます。検査中は唾液を飲み込まないで下さい。検査の後は、軽くうがいをし、検査後少なくとも30分は飲んだり、食べたりしないで下さい。

動脈エコー検査

動脈エコー検査は、動脈の太さ、血栓の有無、動脈硬化の程度、血液の流れなどを知るために行う検査です。観察できる血管は、腹部大動脈とその枝、頸動脈、上肢や下肢の動脈などです。

検査を必要とする主な病気

頸動脈狭窄

脳に血液を送る主要な動脈である頸動脈の狭窄(血管が狭まること)や血栓(血のかたまり)は、脳梗塞や脳塞栓などの脳血管疾患の原因となります。

腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤には自覚症状のないものがあり、触診や聴診で診断できない場合もあります。

閉塞性動脈硬化症

足先が赤むらさき色になったり、冷えて痛んだり、歩くと足が痛くなり立ち止まるなどの症状は、骨や神経の傷害で出現することもありますが、多くは下肢の血管、主に動脈の狭窄や閉塞により起こります。

検査を受けられる方へ

頸動脈の検査を行う時には、首を反らせていただくことがあります。頸部の曲げ伸ばしに障害のある方は検査担当者に申し出て下さい。飲食は普通にしていただいて構いません。検査時間は病気の種類や検査を行う血管の範囲により異なりますが、およそ20分です。

腹部大動脈や腎動脈の検査を行う時には、胃腸にガスや食物が貯留していると超音波が妨げられ、十分な検査ができない場合があります。無理でなければ、食事は検査の5時間前までにお済ませください。薬を服用するための水は飲んで頂いても構いません。検査時間はおよそ30分です。

上肢動脈や下肢動脈の検査は普通に飲食していただいて構いません。検査時間は30分〜45分です。

静脈エコー検査

静脈エコー検査は、下肢静脈の太さや形態、血栓の有無などを知るために行う検査です。静脈には血液を効率よく心臓に戻すためにいくつもの弁が付いており、この弁の機能不全により起こる疾患もあります。下肢静脈は深部静脈と表在静脈からなり、症状や疾患により検査の内容や検査時間が異なります。

検査を必要とする主な病気

深部静脈血栓症

死亡の危険性が高い肺静脈塞栓症の原因となる疾患で、俗にエコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症)とも呼ばれています。脱水、長時間座ったまま、手術後、寝たきりなどの原因により下肢静脈内の血液の流れが悪くなり血栓ができる病気です。

下肢静脈瘤

立ち仕事、出産後、遺伝などの原因で静脈内にある弁に障害が起こり、下肢の表在静脈が拡張、蛇行し瘤(こぶ)のように膨らんだ状態をいいます。見た目に分かるだけで無症状の方もいますが、むくみ、痛み、潰瘍などを伴う場合もあります。

検査を受けられる方へ

  • ・飲食は普通にしていただいて構いません。
  • ・ズボンやスカートを脱いでいただきます。
  • ・丈の長い下着はなるべく避けて下さい。
  • ・検査時間は30~45分です。

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