ペースメーカを装着されている方やそのご家族様にとって、スマートフォンの電波は気になる存在です。
最近は、スマートフォンを導入する医療機関も増えてきています。
「先生はスマートフォンを使っているけど影響はないのかしら」
「隣にいる人が使っているスマートフォンが不安…」
そんな方に向けて、今回はペースメーカとスマートフォンの関係についてお話しします。
より安心して日常生活を送るためにも、ペースメーカのことを詳しく学んでいきましょう。
ペースメーカについて
そもそも、ペースメーカとはどのような機器なのでしょうか?
ペースメーカが必要となる症状
脈拍が遅くなることでふらつきや息切れなどの症状が出現した場合、ペースメーカ治療を行います。
房室ブロックや洞不全症候群などが代表的な病気です。
一時的に意識を失う・重度のめまい・重度の倦怠感や脱力感などが症状として現れ、日常に支障をきたすだけではなく命の危険も考えられます。
そこで、ペースメーカを体内に植え込み、心臓の脈拍をサポートする必要があります。
ペースメーカの構造
鎖骨下の皮下に埋め込まれたペースメーカ本体と、心臓に留置したリード部分を繋げて使用します。
リードを通して心臓へ電気刺激が伝わることで、心臓が拍動します。
軽量化や長寿命化など、より使いやすくなるよう、日々開発が進んでいます。
ペースメーカとスマートフォンを近付けてはいけない理由とは?
「電車内では携帯電話をお切りください」
「優先席付近でのご使用はお控えください」
公共交通機関において、このようなアナウンスを聞いたことがありますか?
ペースメーカを装着していても、日常生活への支障はほとんどありません。
しかし、強い電磁波を発する機器、例えばMRIや工場にある大きなモーターなどに近寄るとと誤作動を引き起こす危険性があります。
スマートフォンとの距離は15cmが目安
ペースメーカと外部からの電波ではどのような影響が出るのか。
この調査は総務省を中心に行われており、定期的に調査報告が行われています。
報告の最新版では「スマートフォンとペースメーカは15cm以上離して使うように」という指針が出されています。
この指針の基になった調査では、スマートフォンの電波出力を最大にし、ペースメーカの感度を最大に設定するなど、厳しい条件で実験を行っており、スマートフォンなどの携帯電話からペースメーカが影響を受けた距離は最長3cmと報告されています。
気を付ける目安としては15cmですが「必ず15cm離して使わなければ命に関わる」という厳しいものではありません。
例えば、左胸にペースメーカを装着している方が、スマートフォンを左耳にあてて通話したとしても、15cm以上の距離は充分にとれていることがほとんどですので、あまり気にしすぎずに日常生活を送ってくださいね。
総務省では、毎年携帯端末とペースメーカの関連について調査・報告しています。
医療機器やスマートフォンなどの通信機器も年々発達しており、スマートフォンとペースメーカの関係についても最新の調査結果を公表しています。
気になる方は、総務省のホームページをご参照ください。
総務省:電波利用ホームページ
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/seitai/chis/