これまで何回心電図検査を受けられたでしょうか?
きっと「数えきれないよ!」という患者さまも多いのではないでしょうか。
しかし、その内容についてはイマイチよく分からない…
そんな方々のために、今回は心電図検査についてご紹介します!
心電図は「心臓を流れる電気」を記録している
心臓のリズミカルな動きを司っているのは実は“電気”です。心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉にわずかな電気が流れて興奮し、それによって拍動が起こります。このような心臓を動かす電気の流れを測定するのが心電図検査です。
心電図検査は、主に2種類の異常がないかを調べることができます。
1:脈の乱れがないか(不整脈)
2:心臓の筋肉に異常がないか(心筋梗塞、狭心症、心筋症など)
外来診察で行うのは12誘導心電図
「心電図」と一口にいっても、検査の種類や方法はいくつかあり、
その中でも皆様が外来の診察時に行うのは「12誘導心電図」と呼ばれる心電図検査です。
両手足首と胸部、腹部に電極をつけ、“12種類の波形を計測”することからそう呼ばれます。
白いクリームを塗る理由
心電図を取る際、電極を付ける箇所にクリームを塗ります。
これは、皮膚の接触抵抗(電気の流れにくさ)を小さくし、よりスムーズに心臓の電気信号を取得するためです。正確な波形を記録するためになくてはならない、大変重要な役割を担っています。
心電図は「不整脈」の診断が得意
心電図検査が最も威力を発揮するのは「不整脈」の診断です。心電図以外の検査で不整脈の証拠を得ることは困難、といわれるほどです。(「不整脈」は、脈拍の規則正しさが乱れている状態のことをいいます)
また、心筋の電気信号に異常が生じる心筋梗塞や狭心症発作時の異常を確認する際にも、心電図が簡便かつ重要な検査となります。
上記のような要素から様々な判断を行います。
心電図は「心臓の形」を見ることはできない
弁膜疾患、先天性心疾患など、“心臓の形”の異常によって病的状態をきたす心臓疾患のことを「構造的心疾患(Structural Heart Disease : SHD)」といいます。心電図検査では、心臓の形を直接見ることはできないため、構造的心疾患の診断・重症度の判定のためには、形を見ることが得意な「心臓エコー検査」や「冠動脈CT検査」などのいわゆる画像検査が重要です。
あなたのまわりでもいませんか?健診で心電図異常を指摘された方へ
あなたのまわりでもいませんか?健診で心電図異常を指摘された方へ
心電図検査は構造的心疾患の発見に無用というわけではありません。例えば心臓の弁に異常があった場合、弁がうまく機能しないことで心臓全体に負担がかかります。弁の異常によって不整脈が合併することも多く、心電図異常をきっかけに精密検査を行い、構造的心疾患が見つかることもあります。
もし、皆様の身の回りに「健診で心電図異常を指摘された」という方がいらっしゃいましたら、安心のためにもぜひ医療機関での精密検査をお勧めして頂ければと思います。
精密検査では、心電図や超音波、CT、カテーテルなどを使用して心臓や血管の状態を詳しく検査します。
心研では、循環器専門の医療機関にふさわしい、高い専門性を持ったスタッフが、万全の検査体制で皆様をお迎えいたします。