「若いうちにしっかり働いて、子育ても一段落したら夫婦で海外旅行に!そう考えていたのに、心臓病と診断されてしまって…もう海外旅行は行けないのかもしれない…」
働き盛りを終えてようやくゆっくり出来る時間を得られる50代・60代。しかしその年代になると、心臓病に罹患する可能性がぐんと高くなります。
ひとたび心臓病と診断されると、「海外旅行などの長時間のフライトは大丈夫なのかな?」と不安に思うことも多いことでしょう。
しかし実際は、担当医に相談するなど事前に対策をすることで、安心して楽しい海外旅行を行えます。
「旅行中に症状が悪化したらどうしよう…」
「旅行先で入院することになったら莫大な費用がかかるんでしょ?」
「事前にどんなことを準備すべきなの?」
そんな、心臓病を患っているからこそ起こる不安について、一つ一つご紹介いたします。
持病のある方が海外旅行に行くのは当たり前の時代!
利用する航空会社を事前にチェック
現在は、JALやANAなどの大手旅行会社において、心臓病をお持ちの方、治療中の方、医療機器の持ち込みが必要な方へ向けてアナウンスがあります。
- JAL
「お手伝いを希望されるお客さまへのご案内」
https://www.jal.co.jp/jalpri/
- ANA
「おからだの不自由なお客様へのご案内」https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/share/assist/support/medical/
国内線のみならず、国際線においても各種受け入れが可能なようです。
それだけ、心臓病を罹患している方の海外旅行は当たり前の時代になっているのです。
もちろん、サポートの内容によっては事前のご連絡が必要になります。
利用する航空会社へ事前に連絡の上、どのような対応が必要か、いざというときはどんなサポートが必要になるかをきちんとご説明しておきましょう。
機内の環境は地上と比べて心臓に負担がかかりやすい
当たり前の時代になっているとはいえ、やはり飛行機は心臓に負担がかかる環境です。
飛行機は1万メートルほどの上空を飛ぶため、機内といえども地上に比べて気圧が低く、
だいたい富士山の5合目と同等の気圧になると言われています。
また、気圧が下がる分空気中の酸素の量も少なくなってしまいます。
さらに、機内では湿度も低い状態が続きます。
長時間のフライトで喉を痛めたり、肌が乾燥したりしたことはありませんか?
これは、湿度が低いことで起きる症状です。
また、長時間の座ったままの姿勢はエコノミークラス症候群などのリスクも伴います。
心臓病の方も海外旅行を楽しめます!
特殊な症状がある方、医師から旅行を止められている方を除けば、ほとんどの方が海外旅行は可能と言われています。
とはいえ、症状や発作は人それぞれなので、一概には言えません。
「海外旅行に行きたい!」
と思ったときは、旅行会社へ行く前にまず、担当医にご相談してみましょう。
海外旅行を楽しむための準備
海外旅行を楽しむためには、万全の準備が必要です。
「もしも何かあったら…」という不安が残ったままでは、せっかくの旅行も楽しめません。
病気によっては不安から症状が悪化する可能性もあります。
楽しむためにも、症状を安定させるためにも、しっかり準備をしておきましょう。
1.お薬は旅行日数+1週間分を持っていく
海外旅行では、以下の事態が予想されます。
- 時差の関係で薬の服用が旅行分より1日多くなる
- 飛行機や天候の関係で出国・帰国が遅れる
- トランジットの不都合で宿泊日数が増える
- 症状が悪化し旅行先で入院する
1週間プラスの準備は多すぎると思われるかもしれませんが、以上のことが起こる可能性は大いにあります。荷物になるかもしれませんが、必ず準備しておきましょう。
2.お薬とお水は機内持ち込みで
預けた荷物の到着が遅れたり、違う便で違う目的地に行ってしまったり、様々なトラブルが起こるかもしれません。そのときに備えて、必ず機内持ち込みのバッグにお薬とお水を持っておくと安心です。
3.時差によって起こる服用時間の変化に注意!
海外旅行、特にヨーロッパやアメリカなどでは時差が発生します。それによって薬の服用時間を変更する可能性があります。
薬の服用については、食事を基準にするか、時間を基準にするかは人それぞれです。
必ず担当医にどこへ行くか、時差によって薬の服用は変わるかを確認してくださいね。
4.お薬の処方箋・心電図のコピー・体内機器の説明カードの英語版を準備
お薬の処方箋をはじめ、心電図のコピーやペースメーカなどの機器の説明が書かれたカードなどを、英語版のものを準備すると安心です。
もし旅行先で症状が起きてしまったら、日本人スタッフのいない飛行機内や海外の土地で病状を伝えるのはとても難しくなります。なにかあったときのために英語版を持っていきましょう。
また、お薬においても同様です。
海外の税関で、薬について質問をされるかもしれません。
そのときに処方箋を見せることができたら、英語が不慣れでもスムーズな対応ができます。
保険の確認も忘れずに
海外において重要なことは加入している保険です。
海外で医療機関にかかった時に自分の加入している保険はどう申請できるのかを事前に確認しておくと、より安心です。
海外旅行保険などでは、いざ病院にかかった時の保障をしてくれるものもあります。
クレジットカードなどはランクによって自動付与されているので、一度確認してみてくださいね。
万全の準備で海外旅行を楽しみましょう!
心臓病をお持ちでも、万全に準備をすることで不安なく海外旅行を楽しめます。
東京からハワイまでは8時間、ロンドンまでは13時間と、海外旅行は長いフライトがつきものです。フライトが長いと、その分日本にいない時間も長くなります。
必ず旅行を考えた時点で担当医に相談し、出発前にも体の状態を確認してもらってくださいね。