心筋梗塞などの心臓病は、どの季節に多く見られる病気だと思いますか?
冬と考える方が多いのですが、実は夏場に発症するケースも多い病気なんです。
「心臓病」と聞くと、高齢の方が発症しやすいイメージがあるかもしれませんが、夏の心臓病は50歳以下の若い方も突然発症してしまう危険があります。
夏に発症する心臓病の多くは、暑さによる脱水症状が原因です。
では、脱水症状と心臓病はどのように関係しているのでしょうか?
夏の心筋梗塞の原因は暑さと水分不足
気温が上がり暑さを感じるようになると、体内の熱を発散しようとして血管が拡張し、それによって血圧が低下します。
さらに、汗をかいて水分が不足することで血液が濃く粘度を増してしまい、血管が詰まりやすくなります。
そのため、夏場は脱水症状によって血管の詰まりで引き起こる心筋梗塞を発症する人が多くなるのです。
直射日光のもとで長時間過ごす、高気温の中でのスポーツ、水分を摂取する前に体を動かす、などの行為は心筋梗塞を引き起こす可能性が高くなります。
適度な休憩と水分摂取、体温調節のしやすい服装など、自分自身で意識づけた行動が大切です。
水分が身体に浸透するまでにかかる時間は20分
「喉が渇く前に水分補給をしよう!」という話を聞いたことはありませんか?
実は、水分を摂取してから水分が身体に浸透するまでに20分近くの時間がかかると言われています。
「喉が渇いた」と感じて水を飲んでも身体は20分間渇いた状態が続きます。
さらに、汗をかく以外にも、暑さによって皮膚から水分が蒸発してしまっていることも。
「今日はあまり汗をかいていないから」
「直射日光が出ていないから」
などの理由で、水分摂取を怠る方も多くいらっしゃいます。
もしかしたら、気付かない内に身体から水分が失われてしまっているかもしれません。
「喉が渇いてから」ではなく、時間を決めてこまめに水分を摂取するように心がけましょう。
夏場、あなたも気付かないうちに脱水症状・熱中症を発症しているかも?
熱中症や脱水症状は「炎天下の外で起こるもの」と思っている方が多くいらっしゃいます。
しかし、実は涼しい屋内でも気付かない内に熱中症や脱水症状を引き起こしている可能性があります。
特に、湿度の高い場所では汗をかきづらく、脱水症状を自覚することが難しくなります。
十分な休息と水分補給が命を救う!
また、就寝中はクーラーをタイマーセットしているという方も要注意。
寝入るときは涼しくとも、就寝中にどんどん気温が上がり大量の汗をかいてしまって寝ている間に脱水症状や熱中症を引き起こしてしまう危険性があります。
人は、寝ている間にコップ1杯分もの汗をかくと言われています。
失われた水分を取り戻し血流を良くするためにも、就寝前と起床後はコップ1杯の水を飲むことをお勧めします。
夏場は疲れが溜まりやすい時期。
疲れがとれないまま就寝し、水分が足りず血流が滞っている状態で早朝ゴルフへ向かって心筋梗塞を発症、というケースもあります。
これは、ご高齢の方だけでなく働き盛りの若い方にも見られます。
「自分はまだ若いから」
「健康診断も問題ない」
などとは考えずに、きちんと脱水症状に対する予防を実践しましょう。
おいしいビールにご注意!
夏に汗をかいて、グッとビールを飲む!
そんなあなたも要注意。
アルコールには利尿作用があり、水分補給をしたつもりになっていても、実は逆に水分を体の外に出してしまっています。
夏にお酒を飲むときは、しっかりと水分補給を行なった上で、同量の水分を摂取しながら楽しんでくださいね。
脱水症状を予防し、心臓病を未然に防ごう
脱水症状は、心臓病を引き起こす原因となります。
疲労を溜めないためにも十分な休息と睡眠をとること、水分を失わないためにもこまめな水分補給を行うことで、夏場に起こる心臓病を未然に防ぐことができます。
これから迎える暑い季節に備えていきましょう。