心臓病の治療について知る

PCI(経皮的冠動脈形成術)とは?適応する疾患と手術の概要

今回は、PCI治療について、その概要や対象となる疾患、実際の手術の手順などをわかりやすく解説します。

ご家族やご自身がPCI治療を受ける予定がある方、医師から提案を受けている方など、PCI治療について内容を確認したいときにご活用ください。

PCI治療とは?対象の疾患も併せて解説

手術の写真

まずは、PCI治療の概要と対象となる疾患について解説します。

PCI治療とは、経皮的冠動脈形成術・経皮的冠動脈インターベーションとも言い、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を対象とする治療の1つです。

狭心症や心筋梗塞は、血液中の脂肪やコレステロールが血管壁にこびりついたり、動脈硬化が進行したりして、心臓の血管が細くなることにより発症します。

PCI治療は、この細くなった血管をカテーテルを使って押し広げ、血流を回復させます

病気が軽い場合には薬の内服で改善することもありますが、それだけでは不十分と判断した場合にPCI治療を検討します。
メスを使わない治療のため、患者さんの身体への負担が少ないことが大きな特徴です。

PCI治療の手順【かんたん4ステップでわかりやすく解説】

手術の写真

続いて、PCI治療の手順を確認していきましょう。
手順は次のとおりです。(あくまで一例ですのでご参考にとどめてください)

  1. カテーテル挿入
  2. 血管の狭窄部分を確認
  3. ステントを膨らませる
  4. カテーテルを抜く

1. カテーテル挿入

まずはカテーテルを挿入します。手首や腕、足の付け根などから挿入することが多いですが、身体の状態によっては別の箇所を採用する場合もあります。
血管の中をつたい、冠動脈(心臓に血液を供給している血管)まで進めます。

2. 血管の狭窄部分を確認

造影剤を使って、X線で血管を撮影し血管が狭窄している部分を特定・確認します。

3. ステントを膨らませる

血管の狭窄部分が確認できたら、あらかじめカテーテルの先端につけておいた風船を膨らませ、血管を広げます。
広げた部分にステントと呼ばれる筒状の金属をはめ込み、血管が広がった状態を維持できるようにします。

4. カテーテルを抜く

血管の血流が回復したことを確認してできたら、あとはカテーテルを抜き、治療は完了です。

PCI治療は、造影剤を使用するため、途中で気分が悪くなったり胸の圧迫感を覚えたりする可能性がありますが、そのほとんどが軽い症状で済みます。

検査自体は1〜2時間で終了し、検査途中も医師・看護師がしっかり状態を管理・観察していますので、安心して治療を受けていただけます。

PCI治療の注意点【再狭窄や合併症について】

最後に、PCI治療の注意点について説明します。

再狭窄について

PCI治療を受けて血流が回復した人のうち、およそ5%の人は治療によって狭窄が改善した箇所が再び狭窄してしまう可能性があり、その際は再度PCI治療を受ける必要があります。

PCI治療を受ける際の注意事項

PCI治療に限らずカテーテル治療を受ける際は、医師から注意事項の説明が行われます。
短時間で終了する治療ではありますが、人によっては身体に負担がかかる可能性があります。

もちろん、医師・看護師をはじめ医療従事者全員が体調の変化が無いかしっかり管理し、対処法も理解した上で治療にあたります。

医療機関でPCI治療を受ける際は、注意事項について十分に説明を受けてご自分で理解しましょう。

まとめ

今回はPCI治療について解説しました。

PCI治療は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に適用される治療法の1つです。カテーテルを使用するため、患者さんの身体への負担が非常に少なく、治療時間は1〜2時間と短時間で済みます。

しかし、ご自身への負担はゼロではありません。
治療を受ける際は、医師の説明をしっかりと聞き理解しておくことが重要です。

気になる症状がみられたら

気になる症状がある場合は、
早めの受診をおすすめします。

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