心房細動によって重症な脳梗塞を引き起こす危険性があることをあなたはご存知でしょうか?
心房細動になると、心房細動のない人と比べて脳梗塞を発症するリスクはなんと4倍に跳ね上がります。
では、どうして心房細動と脳梗塞に深い関係があるのでしょうか?
この記事では、心房細動と脳梗塞の関係性と、事前の予防策についてお伝えしていきます。
血栓が脳の血管に詰まってしまう危険性
健康な心臓では、心房から心室へ血液が勢いよく送り出されているため、途中で血が固まってしまうことはありません。
一方、心房細動を起こしてしまうと、心房で淀んでしまった血液が固まりやすくなってしまいます。
そして、心房の内側の壁に血栓と呼ばれる血液の塊が付着してしまうことがあります。
血栓が心房の壁から剥がれてしまうと、心室から送り出される血液とともに血栓が全身へと流される可能性があります。
この血栓が通れないほどの細い血管に引っかかってしまうと、そこで血管をつまらせてしまうことになります。
もし脳の血管で詰まれば、脳梗塞に繋がる可能性が高くなります。
心房細動で生じる脳梗塞は重症化しやすい
脳梗塞は大きく3つに分類されます。
1. ラクナ梗塞
枝分かれした先の細い血管で、直径1.5cm未満の小さな脳梗塞が起きる状態
2. アテローム血栓性脳梗塞
比較的太い血管の動脈硬化に血栓が生じて起きる脳梗塞
3. 心原性脳梗塞
心臓から血栓が流れて、脳の血管の根元に近い、最も太いところで詰まって生じる脳梗塞
心房細動で生じる脳梗塞は、この中の心原性脳梗塞です。
実は、この3つの中で最も重症化する可能性が高い脳梗塞が、心原性脳梗塞なのです。
心原性脳梗塞の割合はなんと全体の3分の1
心原性脳梗塞は最も重症化する可能性が高く、同時に最も死亡率が高い脳梗塞でもあります。
命の危険を回避できたとしても、介護が必要となる可能性もとても高いです。
それまで健康に過ごしていた方が突然発症してしまい、命を落としたり寝たきりになってしまったりする事案も多く、「ノックアウト型脳梗塞」という別名を持つほどに危険な病気なのです。
事前の予防が最優先!
心房細動によって生じる心原性脳梗塞。
「なってしまってから治す」のではなく、「なる前に予防する」という考えが重要です。
「心房細動と診断されてしまった」
「心房細動の可能性がある」
そんなあなたは血液に血栓が出来てしまう可能性が、心房細動ではない人と比べて高いです。
担当医・専門医に相談の上で日々の食事管理や生活習慣の見直し、定期的な検査によってご自身の体調に意識を向けるようにしましょう。