「不整脈は市販の薬で治せないの?」
健康診断などで不整脈を指摘された方の中には、できれば医療機関に行きたくないとの思いから、このように考えている方もいるでしょう。
しかしながら、不整脈は市販薬で治療を行うことは難しい場合が多いです。
不整脈の原因と症状
不整脈は冠動脈疾患や心不全、心臓弁障害などが原因で、脈が遅くなったり、速くなったり、または乱れたりする病気ですが、心臓や血管に問題がない場合でも、加齢やストレス、疲労なども要因になることがあります。
不整脈の主な症状は次の5つです。
- 脈が飛ぶ
- 急に脈が速くなる
- 動悸やめまいがする
- 失神する
- 胸に違和感や不快感がある
不整脈は、その原因によって様々な症状があり、治療せず経過観察で済むものもあれば、なるべく早く治療すべき危険なものもあります。
不安な場合は、自己診断せず、医療機関を受診するのがおすすめです。
不整脈は市販薬で治るの?
続いて、不整脈は市販の薬で治るのか?という疑問に回答します。
結論から申し上げると、市販の薬で不整脈を治すことはできないでしょう。
医療機関で処方される不整脈の薬(抗不整脈薬)は心臓に作用し、不整脈の症状を軽減したり、抑えたりといった効果が期待できますが、このような効果のある医薬品は、医師が処方する必要があります。
そのため、薬局で買える薬の中に不整脈に直接作用する薬は存在しません。
不整脈の症状である息切れや動悸に効果があるとされる薬は市販でもいくつかありますが、一時的に良くなることはあっても根治する可能性は低いでしょう。
むしろ、市販の薬を使って一時的に体が楽になったからと医療機関への受診を遅らせてしまうと、より悪化した状態で治療を開始することにもなりかねません。そうなれば、命の危険はもちろん、医療費もより多くかかることもあるかもしれません。
不整脈は、治療が不要なケースと診断される場合もありますが、治療が必要な不整脈の場合、医療機関の受診を遅らせて症状が改善することはほぼないでしょう。
「なるべく医療機関に行かずに…」という気持ちはわかりますが、できるだけ早く医療機関を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。
不整脈の薬を飲むときの注意点
医療機関で処方する不整脈の治療薬は20種類以上もあります。
さらに、不整脈の薬は様々な薬を併用することはなく、1種類ずつ使うのが基本となります。
医療機関で薬を処方する際は、医師が検査の結果や自覚症状の有無などから最善と思われる薬を選択します。
しかし、実際に効果を発揮するかは飲んでみなければわかりません。
もし、飲んでみて効果があまり現れなければ、薬を変更する必要があります。
飲んでみて、効果がどの程度現れるか、薬が合うかどうかは個人差があるため、飲んでみてどのような体調の変化があるかをしっかりと主治医に伝えることが大切です。
薬の服用を開始した時や薬が変更になった時などは特に細かく体調の変化をチェックしておきましょう。
そうすることであなたに最善の治療を進めやすくなり、身体の負担も最小限に抑えることが可能です。
薬の副作用
最後に不整脈の薬の副作用について解説します。
抗不整脈薬の副作用には口渇感や便秘などが挙げられますが、薬によって副作用は異なるため、より詳しく知りたい場合は、主治医や薬剤師に直接確認してみましょう。
しかしながら、医師の指示通り、用法・容量を守って服用していればそこまで目立った副作用が出る可能性は高くありません。安心して服用しましょう。
薬を飲み忘れた時は?
薬を日常的に服用していても飲み忘れは誰にでも起こり得ます。
そんな時、飲み忘れた分も一緒に2回分飲んでしまおうとする方がいますが、これは絶対にやってはいけません。
多めに服用してしまうと、その分、副作用も強く出てしまう可能性があります。
飲み忘れたとしても、2回分まとめて飲むことは避け、気になる症状がある場合には、できるだけ早く医療機関に相談しましょう。
まとめ
本記事では、市販の薬で不整脈が治るのか?についての解説や薬の副作用などについて記載しました。
不整脈を薬で治療したいと考えている場合、医療機関の受診は必須です。
なんとか市販薬で…と考える方もいるかもしれませんが、専門知識のない状態で自己判断し、市販薬を試すのはおすすめできません。
「不整脈の疑いがある」「不整脈と言われた」などの場合は、一度医療機関を受診し、治療が必要か否かなども含めて、専門医の判断を仰ぎましょう。