心臓病と生活習慣

心臓病予防-危険因子を知り生活習慣を見直そう!

病気予防には危険因子を知ることが大切

「ずっと健康でいたいから正しい生活習慣を身につけたい」
「親が病気にならないよう、生活習慣を改善させたい」

このように思われる方は多いでしょう。

生活習慣を見直す際には、まず病気の原因となるものが何かを把握しておく必要があります。

今回は、心臓病を引き起こす危険因子をあげ、心臓病を予防するための生活習慣について紹介します!

心臓病の危険因子とは?

心臓病にはさまざまな病気がありますが、本記事では心臓病の中でも代表的な虚血性心疾患に着目します。

虚血性心疾患は、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管が狭まったり(狭窄)閉じたり(閉塞)して心臓の筋肉へ十分な血液が供給されなくなる病気で、狭心症や心筋梗塞などの総称になります。

虚血性心疾患の主な発症原因は動脈硬化です。

動脈硬化を引き起こす危険因子には、次のようなものがあります。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 肥満
  • 喫煙
  • 運動不足
  • ストレス

上に挙げた項目は生活習慣が大きく関わっています。

つまり、努力によって予防・改善できるということです。

その他の危険因子として、加齢や遺伝といった生活習慣に関係ないものもありますが、まずは生活習慣起因の危険因子を作らないようにすることが大切です。

また、すでに何らかの危険因子がある方は、今日からでも生活習慣を改善していきましょう。

それでは、危険因子を作らない・減らすための生活習慣の改善方法について、4つのポイントを紹介します。

生活習慣の改善ー4つのポイントー

1.食事を見直す

健康的な食事の写真

食事において特に注意するべきことは、「塩分や糖質、脂肪分をとり過ぎないこと」と「食べ過ぎないこと」です。

「塩分のとり過ぎ」は、血圧が上がって高血圧の原因となります。
1日の食塩摂取量は6グラム未満を目標にしましょう。

「糖質のとり過ぎ」は、糖尿病の原因となります。
また、血液中に中性脂肪を増やして脂質異常症となるリスクもあります。
アルコールや甘いものは控えめにしましょう。

「脂肪分のとり過ぎ」は、脂質異常症の原因となります。
特に、肉・乳製品などの動物性脂肪やヤシ油などに多く含まれる飽和脂肪酸をとり過ぎると、血中に悪玉(LDL)コレステロールが増えて動脈硬化が促進されます。

肉・乳製品の摂取を抑え、LDLコレステロール値を低下させる働きがある魚・野菜の摂取を増やしましょう。

「食べ過ぎ」は、肥満の原因となります。
毎回の食事では、「腹八分目」になるよう心がけましょう。
特に肥満の人においては、現状より食事を減らす取り組みが大切です。

2.禁煙する

禁煙の写真

たばこは、動脈硬化の大きな危険因子です。
喫煙により血管が収縮し、血液の流れが悪くなり、血液が凝固しやすくなります。

また、副流煙によって周りの人にも害が及ぶことを忘れてはいけません。

自分だけでなく身近な人の健康のためにも禁煙に取り組むようにしましょう。
なお、たばこをやめると善玉(HDL)コレステロール値が改善します。
これにより、動脈硬化の進行を抑え、虚血性心疾患のリスクを減らすことができます。

3.運動する

ウォーキングの写真

運動不足で筋肉量が減ると基礎代謝が悪くなり、肥満の原因となります。
また、血液の循環も悪くなり、生活習慣病のリスクが高まります。

散歩・ジョギング・ラジオ体操・自転車に乗るなどの軽い運動をしましょう。
これらは、血液の流れを良くし、肥満防止につながるだけでなく、気分転換にもなります。

4.ストレスを避ける

深呼吸をする男性の写真

精神的ストレスは高血圧の原因になります。

また、ストレスによって、生活が不規則になったり暴飲暴食に走ったりして、生活習慣に影響を及ぼすこともあります。

ストレス因子から離れる、気分転換をするなどして、ストレスをため込まないようにしましょう。
まずは睡眠をしっかりとることをお勧めします。

危険因子を持っている場合に検討すること

すでに生活習慣病にかかっている場合、生活の見直しだけでは病気が改善しないかもしれません。
その場合は、医療機関に相談し、薬物治療を行うことを検討しましょう。

生活習慣病の段階で厳格な治療を行うことで、虚血性心疾患のような大病に対する予防効果が高まります。

リスクの早期発見のためにも定期的な検査を!

これまで述べた通り、生活習慣の改善や薬物治療によって、危険因子の発生を防いだり進行を抑えたりすることができます。

しかしながら、危険因子の有無やその進行度についての判定は、検査を受けないと分かりません。
危険因子の早期発見のためには、定期的に検査することが大切です。

生活習慣病は血圧測定や血液検査といった一般的な検査で診断できます。
定期健康診断を受け、結果をしっかり確認し、異常が見られた場合は医療機関に相談するようにしましょう。

また、検査で生活習慣病が見つかった場合、すでに動脈硬化やその他の疾患が進行している可能性があります。
「生活習慣病の方は心臓病になりやすい」ということを念頭に置き、専門医にも相談して精密検査を受けておくことをお勧めします。

気になることがあれば医療機関を受診しましょう

今回は、心臓病の危険因子と予防のための生活習慣について解説しました。

心臓病になる要因はたくさんあるため、自己管理・自己判断が難しい場合もあるかもしれません。

心配な場合は医療機関を受診し、医師に相談しましょう。

心臓血管研究所附属病院の外観写真

気になる症状がみられたら

気になる症状がある場合は、
早めの受診をおすすめします。

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