「階段を登ると息が切れるな…」
「長い距離を歩くと息が続かなくてしんどい…」
年齢を重ねると、疲れが溜まりやすくなり、体力も下がって運動も辛くなってくるものです。
しかし、あなたの感じているその症状は本当に年齢や疲れが原因でしょうか?
その症状は、もしかしたら心臓からの助けを求めるサインかもしれません。
息切れの原因や息切れに関する病気について、お伝えしていきます。
「息切れ」はなぜ起こるのか?
人は、呼吸が苦しくなると息切れと呼ばれる荒い呼吸法に変わります。
あなたも、ランニングなどの運動をした後は、普段と違って「ゼイゼイ」と大きく早く呼吸をすることはありませんか?
なぜ激しい運動をすると息切れがおこるのでしょうか。
その理由は、体が酸素を欲していることにあります。
酸素は肺から血液に乗り心臓の力で全身に運ばれ、体内でエネルギーを作り出す時に消費されています。
安静時は必要なエネルギーも少ないため、普通の呼吸で入ってくる酸素の量で十分です。
しかし激しい運動をすると多くのエネルギーが必要となるため、多くの酸素を取り込む必要があります。
「酸素が足りない!」という体からの要求が、ゼイゼイという息切れに繋がっています。
「息切れがする」ということは、「体が酸素を欲しがっている状態」ということです。
息切れを起こす原因
酸素をエネルギーとして消費する際、体の中では肺と血液、心臓が働いています。
そのため、肺・血液・心臓のうちのどれかの調子が悪いと息切れを引き起こしてしまいます。
- 肺の調子が悪いと…酸素を取り込めない
- 血液の調子が悪いと…酸素を運べない(酸素を運ぶ赤血球が足りない)
- 心臓の調子が悪いと…血液を十分に送り出せない
以上3つの中から1つもしくは複数の状況が当てはまると、息苦しさを感じるようになります。
あなたが感じている息切れは、もしかするとこの3つのどこかが原因となって現れている症状かもしれません。
息切れを起こす病気
それでは、どんな病気が息切れの原因となるのでしょうか?
肺・血液・心臓3つに着目して見ていきましょう!
肺に関わる病気
・慢性閉塞性肺疾患
タバコの煙などの有害な物質が原因で肺の中の気管支が炎症を起こす病気です。
気管支が狭くなることで空気が入り込みづらくなったり、血中に酸素を取り込む肺胞が壊れることで酸素の取り込みが悪くなったりします。
・間質性肺炎
酸素を血中に取り込むときに活躍する肺胞が線維化し、正常な働きができなくなってしまう病気です。
正常な細胞が少なくなることで酸素が上手に血中に取り込まれなくなってしまいます。
血液に関わる病気
・貧血
血液の中で、酸素を運ぶ役割を担う赤血球・あるいは赤血球に含まれるヘモグロビンが減少している状態です。
肺に酸素はあるけれど、それを十分に血液に乗せることができず、全身に十分な量の酸素が配られなくなってしまいます。
心臓に関わる病気
・心不全
心臓から血液が十分に送り出されなくなる状態のことを指します。
心不全になると心臓から十分に血液が送り出せず、身体中に酸素を運ぶことができなくなります。
送り出せない血液は肺へ溜まってしまい、それによって酸素の取り込みも悪くなってしまいます。
息切れが気になる時は受診をしましょう
「ちょっと階段を登ると息切れがする。」「以前に比べて息が切れやすくて長く歩けない」など、息切れが気になった時には、まずはその原因を調べることが最優先となります。
そのために、まずは受診の上で体の不調と向き合いましょう。
「運動しなければ大丈夫だし…」「休んでいれば収まってくるから…」とそのままにしておくことはオススメできません。
そのままの生活を続けるままでは、何も解決されていません。
一度しっかり検査をし、あなたに合った対策をとっていくことが、生活の質を下げずに暮らしていくための最も良い方法となります。
当院でも、息切れなどの症状の方にはきちんと検査を行い、生活や治療のアドバイスをして参ります。
気になることがある方は、早めにご来院ください。
息切れとは「体が酸素を欲しがっているサイン」
息切れは、休んでいれば落ち着いてくる症状も多いです。
いざ落ち着くと「問題はない」「思い過ごしだった」と考えがちです。
しかし、ご案内した病気だとしたら、気づかない間に静かにゆっくりと、あなたの体調は悪化しているかもしれません。
息切れが気になる場合には、速やかに受診をしましょう。