SAS睡眠時無呼吸症候群

虚血性心疾患コレステロール不整脈弁膜症心臓血管手術が必要と告げられた方に|SAS睡眠時無呼吸症候群

Q睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気ですか?

 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは睡眠中に10秒以上の呼吸が停止、つまり無呼吸が5回以上繰り返される病気です。主に、いびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状があります。また、睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病と密接に関係しており、放置すると生命の危険に及ぶこともあります。重度(無呼吸低呼吸指数:一時間あたりの無呼吸および低呼吸の回数、が30以上)の睡眠時無呼吸症候群のかたは、そうでない方にくらべ心臓病や脳梗塞になるリスクが約3倍高いことが報告されています。また、さまざまな病気による死亡率も約6倍高くなります。
 また、特有の眠気は交通事故を起こす危険もあり、早期に適切な治療をすることが大切です。

Q睡眠中に呼吸が止まって死んでしまうのではないかと心配ですが・・・?

 無呼吸が直接の原因で死んでしまうことはありません。睡眠中に呼吸が止まることは身体にとってよくない状態のため、覚醒反応という、脳が危険を察知して、それを回避するため反応をおこし、呼吸を再開させます。この短い覚醒が何度も繰り返されることによって、眠りが浅くなり、そのせいで日中とても眠たくなることも問題ですが、夜間の間に何度も体の酸素濃度が下がったり、無呼吸から呼吸を再開する際に心肺機能に負担をかけ、高血圧をはじめとする病気を併発させてしまうことが最も問題です。

Q太っていなくても睡眠時無呼吸症候群になりますか?

 なります。肥満の方のほかにも、顎が小さい、猪首といった骨格の問題や鼻炎の方などがいます。

Q睡眠時無呼吸症候群の人はなぜ眠いの?

 呼吸が止まると、脳が「危ない」と判断して脳が覚醒反応をおこし、呼吸を再開させます。それはとても短い覚醒であるため本人は気づいていないけれども、何度も起きていることになるわけです。何度も起きているから深い眠りがとれておらず、日中とても眠たいのです。

Q「無呼吸」ってどういうものをいうのですか?

 10秒以上の呼吸の停止をいいます。

Q睡眠時無呼吸症候群の人ってどれくらいいるのですか?

 一般人口の1~3%、つまり日本では120万人以上いると推定されています。

Q検査はどうやって行うのですか?

 無呼吸は睡眠中の出来事ですから、検査は基本的には入院が必要です。検査には睡眠に関する様々なことを測定する脳波測定を含む、終夜睡眠ポリソムノグラフィー(PSG;polysomnography)という器械を用います。当院では、PSGではなく呼吸状態と心電図を備えた簡易式終夜睡眠ポリグラフィーを用いて検査を行っています。呼吸をしているかどうかを見るために、お腹と胸にバンドを巻き、動きを見ます。また、無呼吸中は血液中の酸素の濃度が下がりますので、酸素濃度を計測するパルスオキシメータと呼ばれるセンサーを取り付けます。入院して行う場合もありますが、外来でも可能な機種もあります。

Q治療にはどのようなものがありますか?

 生活習慣の改善(減量)、内科的治療、CPAP (Continuous Positive Airway Pressure;経鼻的持続陽圧呼吸療法)という呼吸器、歯科装具(マウスピース)、手術(扁桃摘出術など)があります。個々の患者様に応じて選択を行います。

QCPAP療法とはどのような治療法ですか?

 世界中でもっともポピュラーな治療方法です。専用のマスクを介して気道内に加圧した空気をおくりこんで、気道が閉じることを防いで、これにより無呼吸を取りのぞく療法です。もちろん睡眠中のみの使用ですので、日中は通常の生活ができます。気道を広げるための必要な空気の圧力は患者さんごとに異なりますので、医療者が患者さんの睡眠状態を診ながら必要最低限の圧力を決定します。この圧力を設定した晩から無呼吸や眠気などの症状が劇的に改善する方が多いです。気道の閉塞が解除されることで、心臓にかかる負担が著明に減少し、心臓病や脳卒中のリスクを健常者なみに減らすことができます。